第45章

「ありがとう!」

水原遥は言い終えるとすぐにタクシーを拾って帰宅した。今、彼女は確かに少し頭がぼんやりしていると感じていた。

家に戻ると、思いがけず植田真弥がいた。水原遥は少し驚いた。まだ昼間なのに、彼はこれまで昼に家に戻って休むことなどなかったのに、今日はどうして?

実は植田真弥は友人から電話を受けたものの、水原遥が今どこにいるのか分からず、家で待つことにしたのだった。

彼女の額に巻かれた包帯を見て、植田真弥の表情が少し曇った。

「今日はどうして昼に帰ってきたの?病院は忙しくないの?」

植田真弥は彼女が自分から話しかける声を聞いても、答える気配はなかった。

水原遥は彼がまだ以...

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